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野党再編は遠のいたか?日曜討論に民主党代表候補3氏が出演

民主党代表選

11日、NHKの日曜討論に民主党代表候補3氏が出演しました。
総じてわかりやすい議論が展開され、たいへん有意義な番組だったと思います。

話の多くは、政党の擁護や代表選のための建前論でしたが、それらをノイズと考えて取り除くと核心が見えてきます。
国民から信頼を失っているという現状認識は3人ともほぼ同じですが、党の立て直しに対する考え方が違います。
長妻さんと岡田さんは自主再建を目指し、細野さんは野党再編で自民党に対抗できる勢力作りを目指しているようです。

わたしが、野党再編に対して一番期待している細野さんの話は、少々歯切れが悪くてわかりづらく、見直しするときも、巻き戻しボタンを何度も押さねばならなかったことが残念でした。
党の合併問題について差し込まれていることがネックになっているのでしょうが、ここまできたら自分の考えをもっと明確に表現したほうが良かったのではないでしょうか。

わたしの印象に残った場面は、

岡田さんの野党再編問題について慎重な理由を「一度失敗しているから・・・」

細野さんの原発問題に対する現実的で安定した意見

長妻さんの格差の縮小に関する方法論に自民党との対立軸を明示した場面

などでした。

民主党が目指す社会は「一億総中流社会」であり、その点は3人ともに共通していました。

民主党は、政権交代時に大失敗をして、未だに国民から信用を失ったままです。
しかし、ここにきてやっと、自民党との明確な対立軸として「格差の縮小」というテーマを明示できた気がします。
今後は、野党の軸としての期待が大きくなってくるのではないでしょうか。

ただ、他党との直近での合併に関しては、代表選の展開を見る限り、少々難しくなったのではないかと感じます。

番組前は、急激な改革を進めようとしている細野さんに対して、他の2氏が、党の改革を妨げる保守的な行動に出ているのではないかと想像していました。
しかし、3氏の議論を見ると問題はそれほど単純ではなく、それぞれの主張に大義名分と論理的な説明があり、各々説得力がありました。
岡田さんと長妻さんの話は理想論に近く、細野さんの主張はより現実路線ですが、問題意識にはそれほど違いが無いように見えます。

そんな中、細野さんはサポーターの人気が高そうですが、議員の支持はそれほど得られないのかもしれません。
サポーター票が影響しなくなる決選投票になれば、考え方の近い岡田さんと長妻さんが組むのではないかと思いました。細野さんは、最初の投票で過半数に持っていかないと勝利する道がないのでは。
岡田さんが「長妻さんのおっしゃるように・・・」と何度か発言されていたのが印象的でした。

さて、結果はどうなるのか、次の日曜日の代表選に注目です。

以下、番組内での3氏の主張を簡単にまとめました。

 

長妻さん 岡田さん 細野さん
社会保障 資産の再分配、労力、社会貢献などで高齢者も支える側にまわることが可能。能力発揮を妨げる壁を取り除くことができれば少子高齢化はこわくない。 世代で区切るのではなく、高齢者を含めてお金のある人から税金をとる。 生活保護、就業支援を組み合わせ自立の後押しをする政策が必要。多様な家族に対応できる社会保障の構築が必要。
原発 再稼働反対。原発施設へのテロの脅威を真剣に議論すべきで、国家存亡の危機である。(→東京維新に近い考え) 再稼働容認。避難計画を含め国が責任を持つべきである。(→自民党に一番近い) 2030年代を目処にゼロを目指す。再生可能エネルギーに注力、できるだけ前倒しする努力していく。(→大阪維新に近い考え)
集団的自衛権 反対。個別的自衛権の範囲の中で法律の不備を整えることで対応可能では。(→自民党に一番遠い考え) 集団的自衛権の行使を限定できるのか、具体的にどのような場合かを煮詰めなければならない。個別的自衛権の拡張でやれるのか、限定した集団的自衛権でやるのか議論が必要。(→踏み込んだ考えは示さず) 限定的行使を容認。目の前の脅威、国民の心配事に応えたい。朝鮮半島有事には、個別的自衛権で対応することが基本だが、個々のケースがあるので法整備も必要。海外での武力行使を伴う集団安全保障については非軍事分野にしぼるべき。
再編 自主再建。 自主再建。分裂で一度失敗した経験がある。維新党内で連合などに対する意見を整理して欲しい。 野党再編。同じ考え方の人がいれば一緒に自民党に対抗できる勢力を作っていくべき。

 

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