7月からの出国税導入で慌てる富裕層

海老澤由紀です。
ロシアでスノーボードがしたいです。

鳩山由紀夫元首相が、政府や民主党の引き止めを振り切り、ロシアが一方的に編入したウクライナ南部のクリミアに行きました。

それに対し、

旅券(パスポート)を返納させるべきだとの意見が日本で出ていることに関連し、没収されればクリミアに移住する可能性もあると語った。

時事通信:2015.3.12)

海外移住もあり得るというような話になっているようです。

鳩山さんがクリミアに行った理由ははっきりせず、意図もわかりかねます。
祖父の鳩山一郎元首相が日ソ共同宣言により国交を回復したことなどから、ロシアに対する友愛度は元々高かったのでしょうか。
由紀夫氏の長男、紀一郎氏も一時期ロシアに行っていたようです。

しかしながら、明らかに国益に反すると思われる行為を、かつての総理大臣が大きな反対を押し切ってしてしまうのですから、ロシア好き以外に何か目的があるのではないかと勘ぐる気持ちもおきてしまいます。

 

「移住する」というキーワードで思い出したのが、7月から導入される予定の「出国税」です。
あと3ヶ月あまりで導入になる税金をきっかけに、急遽海外への移住を検討している資産家も多いようで、庶民には全く縁のない話なのですが、富裕層の間ではかなり関心が高い話題です。

出国税とは、

1億円を超える金融資産を持つ富裕層が海外に移住する場合は株式などの含み益に所得税を課税する。

というもので、富裕層の税逃れ対策を強化する目的のものです。

 

日本では、今年1月から相続税・贈与税の最高税率が55%に引き上げられています。課税強化の方向です。
たくさんの財産を持っている方が考えているのは、相続・贈与にあたっていかに節税するかだと思います。

それらの税金を回避する方法の一つに海外移住があります。

現在の法律だと、

・相続(または贈与)される人と相続(贈与)する人の両方が海外移住をし、実際に海外に住所を移してから5年以上経過していれば、国外資産の取得については、わが国の相続税等は課されない。

・日本の会社の株式等については、海外居住者がそれを売却等したときに、わが国の譲渡所得課税が課される場合はかなり限定されている。

などの理由で有利になるようです。

これらの穴を塞いでいこうとしているのが「出国税」です。

出国税を回避するためには、6月までに海外移住する必要があります。
7月以降に海外移住しようとすると、実際には処分しなくても、所有している株を現時点で売って利益が出たという仮定で税金が課されてしまいます。

そのため、もし実際に処分した場合の住民税相当額(株式譲渡益の5%)は海外移住による節税効果があるとしても、株式の譲渡益の見込みに対して15.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%)の課税は現時点できちんとされてしまい、逃れられなくなることになります。

さて、ロシアでは相続税は無いとのこと。
ついでにこの「出国税」のことを思い出すと、なんかちょっと引っかかりますね。

 

鳩山さんは、首相だった2009年の資産公開でブリヂストン株を350万株持っていました。
他に9億円近い定期預金をはじめ金融資産だけで10億円以上。自宅や別荘などの不動産は固定資産税の課税標準額で4億円相当だったそうです。(47news:2009.10.23

2009年の時点で所持していたブリヂストン株の分だけで、現在の資産価値は約170億円です。
株の取得額がいくらと評価されるのかはわかりませんが、もし出国税を払う場合は最高で約25億円になる可能性があります。
2013年に母親が亡くなっていますので、現在はさらに相続資産は増加しているでしょう。
控除等はあるのかもしれませんが、納めなければならなくなる金額は小さいものにはならないはずです。

かつて首相を務めた人が、税金のがれの大義名分づくりに動いているなんてことは当然無いでしょう。 もっと崇高な想いがあるのでしょうが、日本を出て行きたくなっちゃった理由の1つに、税金のことも頭の片隅にはあるのかもしれません。

いずれにしても、万が一鳩山由紀夫氏が海外移住することになるとしたら、出国はとりあえず7月まで待ってもらうのが「国益」となることは間違いがないようです。

 

 

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