30歳以下の不妊治療無料化と性教育

今の日本には、急激に進む少子化という大きな問題があります。 この問題を、すべてすぐに解決することは不可能です。10年、20年といった単位の期間が必要でしょう。 そして、解決に時間が必要だからこそ、問題に取り組むことは今すぐに始めないといけません。

少子化には様々な要因があります。原因は複雑ですが、妊娠、出産、不妊に対する知識不足も一因ではないでしょうか。

例えば、卵子が老化するという事を知らない人は、40歳位まで自然に妊娠できると、楽観的に考えています。また、高齢になっても体外受精や人工授精で妊娠できると考えている人もいます。 しかし、このような高度な生殖医療でも、現実には35歳で16.8%、40歳で8.1%、45歳で0.5%という妊娠率です。高齢の妊娠確率は極めて低いのです。

まず「性教育」を考え直し、若いうちに正確な知識が得られるように、情報提供が出来る仕組みを作る必要があります。そして、女性だけでなく、パートナーである男性を含め、社会全体の意識改革を起こすことが大切です。

私は、社会全体の意識を変えるための一歩として、30歳までに年齢を制限し、不妊治療の無料化をする政策を考えています。 30歳という年齢制限には、賛否両論があると思いますが、この比較的若い年齢での線引きには意味があります。

医学的にみて、20代後半から妊娠率は下がり、35歳頃から急激に妊娠が難しくなっていくと言われています。 卵子が老化すると、体外受精や人工授精を行っても、妊娠率は低くなります。卵子を若返らせる事はできません。 すなわち、年齢無制限に不妊治療を無料化にし、税金を投入しても、治療を受ける年齢が高いままだと、なかなか良い結果に結びつかないと言えます。

「30歳まで無料」とする事で、若いうちに子供をつくるということについて、若い世代に明確なメッセージを送る事ができます。

自分の卵子の数を知る事も、同様に、子供について考えるきっかけになります。 アンチミューラリアンホルモン(AMH)を調べる検査で、残された卵子の数を知る事ができます。女性は産まれた時、200万個の卵子を持っています。しかし、そこからは減少する一方で、新たに作られる事はありません。 遺伝的なもの、生活習慣などで卵子の減るスピードには個人差があります。自分が妊娠できるリミットを知るひとつの指針となるこの検査も、25歳など一定の若い年齢で無料バウチャーを発行します。 それにより、比較的若いうちに、妊娠・出産、仕事や結婚など自分の人生を真剣に考え、選択していくきっかけにもなるでしょう。

日本の女性の平均初婚年齢は29歳になりました。晩婚晩産化の影響で、不妊治療を受けている人は6組に1組です。 そして、体外受精による出生率は2万6680人(2009年)で、1年間に産まれる子どもの2.5%を占めています。 第1子の平均出産年齢は既に30歳を超えました。

第1子を早く出産する事ができれば、第2子、第3子の妊娠、出産のチャンスが増えます。 そして、社会全体で妊娠出産、不妊の正しい知識を共有し、適切な時期に適切な治療がなされていけば、産みたいのに産めないという悲しい現実を少しでも減らせるはずです。

産む、産まないは自由です。しかし、正確な知識を持った上で、選択肢が多いうちに自分の人生を考えることができた方が、より幸福な人生になると思います。

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