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千代田区歩きタバコ条例〜ポイ捨ても減った〜

受動喫煙

千代田区は、日本ではじめて「歩きタバコ」に対する過料を導入しました。
現在の状況を知るために、千代田区環境安全部安全生活課を調査いたしました。

 
地区内のいたるところに表示があります。

受動喫煙受動喫煙防止条例

 

条例導入の背景 

タバコの吸い殻が大変多く街の景観を損ねていた。
船橋駅で、女の子の目にタバコの火があたるという、歩きタバコによる事故があった。
ロシアの地下鉄でタバコの火を原因とする火事があった。
など

当初の条例には罰則はありませんでしたが、罰則がないと全く効果がなく、のちに過料を定めたとの事です。

 

過料2000円の徴収方法

その場で現金で払う人が7割、納付書で払う人が3割。
しかし、納付書の内3割の人は支払うが、7割は未納です。督促状の送付をしています。

警察のOBが、「環境保護指導員」として区内を巡回します。
18人体制で2人ペアの活動です。指導員のコストは一人あたり月24~25万円。
年齢構成は早期退職者なども含めて55歳〜65歳です。

徴収時のトラブルがある為、元警察官を採用しています。
体力的、精神的に厳しい仕事です。元警察官という事で、経験により、徴収が可能になっています。
歩きタバコの注意をするだけでなく、過料を徴収するとなると、相手を怒らせない話術も必要になってきます。
NHKのアナウンサーから「キレさせない話し方」などをテーマに講習を受けるなどして、会話力を高めているそうです。

 

4カ所の定点観測で、1000本ほどあったポイ捨ての吸い殻が、3年ほどで1/100の10本ほどになっています。

秋葉原定点観測

 

条例による弊害

子どもの遊び場、憩いの場である公園に、喫煙者が溜まるようになり苦情が増えているそうです。
公園は路上ではないため、条例の対象外になります。このことから、公園独自に喫煙ルールを決める事が必要になってきました。
対策としては、広い公園なら分煙し、狭い公園では全面禁煙など協力をお願いしています。

当初は歩きタバコを減らすために、灰皿を配置していましたが、健康増進法施行の後は、受動喫煙の問題がある為、灰皿を置けない所が増えてきました。

その対策として、企業の1Fに喫煙ルームを作り、一般の人にも解放をしてもらうよう要請しています。
しかし、千代田区は地代も高いので、なかなか喫煙ルームが増えません。

その対策として平成22年9月から、喫煙ルームを作る際には設備投資として1/2まで助成、電気代や保守料金などのランニングコストについても1/3〜1/2の範囲で補助を始めました。
しかし、なかなか企業の喫煙ルームを一般に解放するまでには至っていません。

また、タバコを販売しているコンビニエンスストア内に、喫煙所を作る動きが出始めています。
売り場の面積が狭くなるので、その分売り上げには影響がありますが、逆に喫煙ルームにとどまる事によって、ジュースなど他の商品が売れるきっかけになるようです。

タバコ屋さんの横にちょっとした喫煙ルームも設けている所もありますが、喫煙者が集まり道路に溢れ、通学路になっている場所では苦情が入ります。

喫煙場所の確保にはたいへん苦心しているようです。

 

その他

過料を徴収するだけでなく、千代田区全体で美化意識を高めています。
例えば、年2回、区全体で一斉に清掃する。地元企業や町会、自治体も含め皆で自分の周りをキレイにすることから始めています。

 

条例による効果

ポイ捨ての減少で街並みは美しくなり、効果は上がっています。
また、共同での清掃活動が、住民と企業とをつなぐきっかけになっています。
そのことが、街全体の防犯の役目も果たしているというお話でした。
企業もコストをかけず社会貢献できます。

 

まとめ

お話をうかがうと、喫煙者のスペース確保に課題がとても大きいことがわかりました。かなりのコストと労力がかかるようです。

わたしが感じるのは、喫煙スペース確保のために、なぜそこまで苦慮し、大きな予算を必要とするかです。
世界的な流れや、健康増進法のことを考慮しても、喫煙者のために大きな予算をかけて、無理に場所を確保する方向性が正しいのか疑問です。
それならば、思い切って公共の場所での喫煙を全面禁止にする方が好ましいのではないでしょうか。

大阪府では、松井知事が「受動喫煙防止条例」を提案しましたが、一旦棚上げになったようです。
東京都では、受動喫煙防止のためのガイドラインは作られましたが、条例化は検討されていません。

オリンピック招致や国際観光都市として世界にアピールするためにも、ぜひ条例を制定すべきです。

 

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