待機児童解消を考える②〜継続しない待機児童ゼロは意味が無い〜

横浜で待機児童がゼロになった(4/1日現在)と発表があり、大きな話題になりました。
株式会社の参入を促進した事、公立保育園の民営化、保育コンシェルジュという窓口を設置するなど入園希望者と保育園のミスマッチを解消するために様々な努力がなされたことが、待機児童の解消につながったようです。

今後横浜市ではどういうことが予想されるでしょうか。
まず、待機児童がゼロと聞けば、さらに子育て世代が他地域から流入して入所希望者が増えるでしょう。わたしも働こうかなと考える人も多くなります。

世田谷区では、都内でも有数の待機児童数を改善するために予算を増やし、保育所もかなり増加しました。しかし次の年には、同様に待機児童に苦しむ他区からの流入により就学前児童数が急増し、なかなか待機児童の大幅な改善にはいたらないということがおこっています。

横浜市は、この3年間で保育所の予算は580億円から760億円に増加しましたが、今後も流入等により、待機児童ゼロを継続するための多額の予算が必要になると思われます。
わたしは以前ブログで、保育園のための行政コストについて書きましたが、自己負担・初期投資その他も全部含めると、一人あたり月50万円以上と言われるコストがしばらく増え続けるわけです。

そうこうするうちに、まわりの自治体に同様の取り組みが行われ、待機児童ゼロが達成されれば流入は止まりますが、今度は少子化などのために就学前人口が減ることも考えられます。
そうすると、保育園には空きが出ますから、そのままにしておくと株式会社は赤字になってしまい、倒産リスクをかかえることになります。公立保育園も効率が悪くなり、コストが増え、税金の投入額も多くなるでしょう。

税金は子どもがいる人のためだけに使われるわけではないので、東京都の場合に半数をしめる、子どもがいない人のことも考慮しないわけにはいきません。
予算が足りていればまだ良いですが、赤字になっている場合、借金をして将来の世代につけを回すか、増税するしかありません。ですから、必要だから使うというだけではだめで、使い方には財源のことも含め十分な検討が必要です。

待機児童ゼロを目指すというスローガンだけが語られることが多いですが、待機児童ゼロの状態を継続することが大事です。そのためには、ただ予算を増やして保育園を増やすだけでは難しいでしょう。

今回の話題は需給という事になるかと思います。
考えないといけないことはたくさんありますが、3つだけ挙げて考えてみます。

①実際の待機児童はどのくらいか
自治体ごとの計算方法が違っていたりしますし、待機児童が減れば、流入がおこったり新たに働く人が増えたりして、本当の意味での待機児童数の予測はかなり難しいかもしれません。また、社会の経済状況や文化、地域性にも敏感に影響を受けることになると思います。

②まわりの自治体とのバランスと地域差
隣接する自治体と取り組みに差が出来ると流入、流出がおこります。
バランスを考えながら共に取り組む仕組みがないと、なかなか計画通りに進まないでしょう。
また、就学前人口の真の増減も地域により差がありますし、今後の変化もそれぞれだと思われます。

③待機児童がマイナスになったとき
待機児童がほんとうにゼロになったら、すぐにマイナス(保育所が定員割れ)になることも心配しないといけません。
ちょっとだけ待機児童がいるほうがむしろ健全と言えるかもしれません。
この問題には、長期的な展望と事業の流動性の確保が必要です。
①、②の問題と共に考えることが必要ですし、空きがではじめた場合の迅速な対処の検討をあらかじめしておかねばなりません。

保育園だけではなく、保育ママなど枠の増減が比較的容易な方法を各地域ごとに一定数織り交ぜることが有効でしょうし、現金支給を絡めた新方式を併用することも検討の余地があるのではないでしょうか。
画一的な対策ではダメで、その地域の状況に合わせた取り組みが重要です。

その他にも多くの要素が関係する、待機児童解消の複雑なパズルを解くのは容易ではありません。
地域ごとに知恵を出し合い、この問題に継続的に取り組み続けることが必要になるでしょう。

 

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