海老沢由紀

元プロスノーボーダー・政治活動家の海老沢由紀です。

4,世界で少子化対策に成功した実例集 〜フランス〜

2)フランス

フランスは、1世紀にわたり少子化に取り組んできた国です。
出産育児にかかわる問題をひとつづつ解決し、たえず家族政策の改革、改善に取り組むことにより、少子化問題に向き合おうとしています。

 

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グラフ24

 

フランスの社会制度は、「産めば産むほど有利なシステム」になっています。

 

○家族手当
所得制限なしで、2子以上を養育する家庭に給付される。20歳になるまで、こどもの数によって支給されます。
日本の児童手当と近いですが、1子の家庭には支給されない点が違います。

 

○N分N乗方式
子育て世代、特に3人以上の子どもを育てている世帯に対して、大幅な所得税減税がなされ有利な仕組みになっています。

 

○家族補足手当
第3子から支給される。所得制限はありますが、制限は緩やかなので多くの世帯が受給しています。

 

○年金加算
子どもを3人養育すると年金が10%加算されます。

 

○職業自由選択補足手当
子育ての為に仕事を全面的に休むのか、週4日や3日勤務、午後3時までと言ったように時間短縮するかなど、個人に合わせて労働の有無や、労働時間数を選択することができる。

 

○保育方法自由選択補足手当
保育ママに子どもを預ける場合に支給されます。

 

○出産費用
産科の受診料、検診費、出生前診断、出産費用など妊娠出産から産後のリハビリテーションを含め無料。

 

○父親の出産休暇
母と同様の有給扱いで賃金の80%が保障されています。

 

○不妊治療と人工中絶
治療は公費で行われていますが、43歳までと年齢制限があります。

 

○高校までの学費は原則無料となっています。
公立大学の学費も、数万程度の登録手続き費と健康保険料のみで、ほぼ無料です。
また、多くの学生が奨学金を支給されています。
学費や教育費にお金がかかるから子どもを産まないという考え方は、ほとんど存在しないといえるでしょう。

 

○事実婚と婚外子
フランスでは、ユニオンリーブル(自由縁組み)というカップルの生き方が一般化しています。
法律婚にとらわれないカップルが社会的に認知されるようになった背景には、フランス人の家族観とそれに伴う法の整備があげられます。

1970年に6%だった婚外子が、1980年代半ばから急速に増加し、2008年52%に達しました。
産まれるこどもの半分が婚外子となり、社会的な受容度は高くなっています。
婚外子の法律についても、自然子(非嫡出子)の権利は嫡出子と同じになり、嫡出子、自然子という用語そのものが民法から削除されました。

 

○保育サービス
公立保育所の充足率は低いですが、3歳までは自宅で子どもをみてくれる認定保育ママや低額のベビーシッターが比較的簡単に利用できます。

3歳以上になると公立の保育学校に入学できるようになり、保育学校は初等教育体系に位置づけられている為、100%就学保障されています。

 

○余暇保育
日本の学童に相当するものです。
ほほとんど費用がかからない仕組みになっています。

 

3)家族政策は少子化に有効なのか

スウェーデンとフランスでは、家族計画は一定の効果を上げたようです。
しかし、この二つの国の政策は、十分に手厚く、とても長い時間をかけて行われており、その成果がやっとこの程度の回復をもたらしたと言えます。

他の国を見てみると、ドイツは同様に家族政策に力を入れていますが、合成特殊出生率は1.4(2010年)です。

ドイツの問題点は、理想子ども数が、人口置き換え水準を割ってしまっていることです。
これは低出生率が「文化」になってしまったと言うことで、回復は非常に困難と言わざるを得ないでしょう。

日本の場合は、多くの人が、実は結婚と出産を望んでいます。一方、出生率の低下を食い止める有効な対策はほとんどなされていません。
逆に言うと、やる事がたくさん残っていますから、既に対策済みだがなかなか回復しない国々に比べるとまだ期待が持てるとも言えます。

OECDが2005年に行った、家族政策による出生率回復シミュレーションによると、日本は、提言された4つの主要な育児支援・両立対策を強化した場合、合計特殊出生率は2.0まで回復するとされました。

 

①育児費用のため税金の控除や児童手当の増額を行うこと
②育児休暇期間を延長すること
③正式な保育施設を整備強化すること
④フルタイム就業に比較して少ないパートタイム就業機会を増やすこと

 

このうち、日本は①~③までが程度が低く、①、③を改善すれば回復するということです。
まだまだ不十分なこれらの対策を十分行うようにするべきです。

家族政策が、低出生率の改善に有効かどうかは、はっきりしませんが、少なくとも日本の場合は、多少の効果が見られる可能性があると言えると思います。

 

 

次は 日本が取るべき戦略①

 

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